「寿司の話し」もともと江戸前の寿司というのは、冷蔵技術の発達や漁船の高速化や大型化が発達していなかった江戸の後期に、塩と酢でしめたコハダやアジ等の近海で捕れた魚を、おやつがわりに四つほどお茶と一緒に召し上がって頂くものだった様です。現在のように新鮮なネタが豊富にそろっているわけではないので、いきおいネタに大変な手間をかけて仕事をする技術が発達したのです。戦後食料事情の悪かった折りに、一合のお米を持参した方にそのお米に見合った分量のお寿司をお出しして良いと言う事になり、現在の一人前約10個の食事としての寿司が出来上がりました。
「私ひとりの思い込みですが」私の師匠はもう亡くなりましたが、昔ながらの寿司種に手間をかけて仕事をほどこしたものと、冷蔵技術の発達によって新鮮さを頂けるようになったものとをバランス良く使いわけていました。どちらもよいものを選び抜く目と調理の技が必要なんです。もちろん昔の職人気質の方でしたから手とり足取り教えてくれるなんて事はありませんでしたけど、こっちが見よう見まねで悪戦苦闘していると、ほんのたまにですけど機嫌の良い時は手を出してくれることもありました。そんな時は必ず「寿司は力でこさえちゃいけねえよ。」「寿司はもともと軽い気持ちでいただいてもらうものなんだから。」なんて言いながら教えてくれたもんです。今、朝の仕入れに魚河岸へ行けばありとあらゆる種類の新鮮な魚が全国から集まっています。値段もピンからキリまでそれこそキロ何万円もする魚から百円のものまで、でも高いから旨いなんて事はぜったい無いんです。軽い気持ちでつまんでもらう寿司がひとつ3000円なんて問題外でしょう?旬の魚をいかにうまく気楽に召し上がっていただくか。いかに美昧しくなるように調理するかが職人の技、いかに肩の力を抜いてお客様と相対することが出来るかが職人の素養なんじゃないかな、なんて考えています。だから人を使って店を大きくするなんてこれっぽっちも考えていませんし、人様に教えるなんて出来っこないんです。
「グルメってなんだい」
もともと江戸前の寿司ってのは、おやつみたいなものを屋台を引いて売ってた、云わばファースト・フードみたいなもんから発展していったんじゃないかと思うよ。もともと大衆の支持を受けて発展していった点じゃあ能や懐石料理とは違って、落語や色物といったお笑い芸とルーツがおんなじだね。早い話が天皇陛下は能を見に行って、帰りに懐石料理食べる事があっても、演芸場でお笑い聴いて、帰りに寿司屋なんか寄らないだろ。
そんなお笑い芸人が「またまた」テレビによく出てくるね。ギャラが安そうだし、視聴率もそこそこ取れてるらしいからからテレビ局にとっちゃ重宝なんだろうね。「またまた」って言ったのは一昔前にもお笑いブームがあったからなんだけど、あっという間に廃れちまったっけ。グルメに寿司やラーメンが仲間入りしている現状は、よくよく気をつけないとね。余計なお世話だって言ってる人、下町の寿司屋の親父の戯言だ、勘弁してちょうだい。
何回か、私の店にもテレビの取材が入ったんだけど、あがりまくって何言ったんだか良くわかんなかったっけ。テレビで見てくれた人「笑えたろ」。もともとはマスコミに多少の不信感持ってたんだけど、聞くと見るでは大違いってやつで、ろくに喋れない私に悪戦苦闘しながらも、とっても親切に応対してくれたよ。ありがとさんでした。
なんでテレビの話なんかするかってえと、前のお笑いブームが廃れたのは、芸人がテレビに出すぎたからだって、亡くなった古今亭新朝が言ってたのを思い出したからなんだ。
つまり、決められた短い時間で咄すために芸が荒れる、マスコミにチヤホヤされて偉そうになる、何よりもテレビ見てる人は咄しを聞いても「ただ」だから文句を言わない。文句言われないから芸も伸びないっていう悪循環に陥ったそうなんだ。
幸い、食べ物はテレビじゃもともと味は判らないからいいんだけど、前にテレビで見たラーメン屋なんか、「店内での私語禁止」だと。いくら旨くても、あたしゃ行きたくないね。
お客さんに少しでも美味しく・楽しく食べていただけるように、努力を惜しまないつもりだけど、基本は「らしく」だと思うんだ。寿司屋は寿司屋らしく、お客さんがイメージしている下町の寿司屋を精一杯演出させてもらってお勘定は安く、これが私のモットーなの。一度文句たれに来てちょうだい。
特上にぎり・・・2700円、上にぎり・・・1600円、あなご寿司・・・1700円、上ちらし・・・2100円
並ちらし・・・1300円、鉄火巻き(赤身)・・・1600円、おしんこ巻(特製)・・・950円
のりたま・・・1100円、のり巻・・・800円、お子様寿司・・・1100円、おつまみ・・・2100円より
ランチメニューちらし・・・600円、にぎり・・・500円(ランチメニューの出前はいたしません。)
| 所在地 | 川崎市川崎区東門前1-15-9 |
| TEL | 044-299-0800 |
| 営業時間 | 11:00〜22:00 |
| 定休日 | 月曜日 |
| サービス券 | 出前を御注文2000円毎に1枚、10枚にて当店飲食代500円引き |
| 出 前 | 大師地区のみ承ります。 |